作者:上村崇 フリーランスのIT系エンジニア
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中国・深圳(深セン)のMakerFaire Shenzhen 2019。個性あふれる出展


2019/11に中国・深圳(深セン)に行きました。そのときのレポート第10話目です。
この旅行記はシリーズ記事になっています。目次はこちらから。


2019/11/9-10の2日間、MakerFaire Shenzhen 2019(メイカーフェア深圳)が開催されました。
1日目である11月9日に見てきたことを書きます。

MakerFaireとは、簡単に言うと
ハードウェア系のモノづくり、電子工作をしている人の発表の場
です。
世界各地で開催されており、日本でも東京はじめ各地で開催実績があります。
今回のMakerFaire深圳は100団体くらいが出展しているそうです。

場所は万科云城という、深圳の郊外にあるテクノタウン
地下鉄5号線の竜仙洞駅が最寄り駅です。
高徳地図
最寄り駅の竜仙洞駅からは2キロくらいあったので、シェア自転車(mobike)を使いました。
地図で見たら近そうなんだけど、実はめちゃ遠いのが中国。
距離感が大陸なんですよね。
駅から会場まで、案内がまったく出てなくて迷いましたけど、なんとかたどり着きました。
現地に着いたらしっかり看板が出てて、いよいよこれから入っていく感があり高まる!
ちなみに、事前に公式Webサイトで入場予約フォームみたいなのを見つけたんですけど、そんな予約しなくても入れました。
普通に考えたらそうよね。不特定多数が数多く出入りするイベントだからそこまで入場チェックしないよね。
中に入っていきます。所狭しと出展ブースがあり賑わっています。
野外でやってるんですね。
大きな体育館みたいな会場(インテックス大阪みたいな)で館内をうろうろする感じかなと思ってたんだけど違うんですね。
季節はちょうどよく、長袖で過ごせる晴れやかな日だったので外が気持ちよかったです。
最初に目に飛び込んできたのは猫(犬?)型のロボット。
子どもたちが興味津々の表情で覗き込んでいます。
家族連れが多く来ていました。子供の情操教育には良さそう。
出展する側も、
「いかに子供ウケするように作れるか」
を考えるのが成功の一つのキーになると認識しているようでした。
前日の前夜祭的な食事会でご一緒させてもらったとだ勝之さんのブース。
ホームセンターてんこグッズを展開しています。


このブースではものすごく小さい工具を売ってました。

本物とあまり違わない大きさの、作り物の蚊!
MakerFaireでは、必ず電子工作を出展しなければならないという約束ではなく、
各自自由に創作したものを出すスタイルみたいです。
漫画を売るのもあり。
スーパーマリオと写真撮ってもらいました。
この人も日本人。
けっこう日本人もたくさん出展しています。
中国人の次に多いかも。10組~20組くらいはいるかも。
この方は寺尾さん。前職のさくらインターネット時代にお会いしたことがあります。
この方も日本人。
光るお面を作っていました。

光るガイコツ人形をあやつる方。
強烈なインパクトありました。

世界各地のMakerFaireによく出展されている一瀬さんの作品。
腕のセンサーを動かすことでボールをコントロールできる。
一人で作ってると思うんだけど、こんなことできるなんてすごいなあ
ARでキャラクターが投影される

楽器を演奏するロボット、字を書くロボット。
この作者のおっちゃんは多分中国人だけど、いかにも中国らしい電飾ピカピカのロボットで分かりやすい。
個人の技術でここまでやれるなんて尊敬する。


矢を射るロボット。
日本人チームでした。



これはおそらく企業が出しているロボット。
完成度が段違いでした。
小さい子も夢中になって対戦してる。
見ている大人も手に汗握る展開で興奮しました。
人を笑顔にするテクノロジーだなあ。

隣ではDJIの新社屋が建設中

話は外れますが、この万科云城という会場の横に建設中のビルがありました。
ドローンで有名のDJIの新社屋になるらしいです。
DJI、2019年に新社屋完成。手掛けるのはApple新社屋を手がけたFoster+Partners

現在はこの周辺は空き地も多く閑散としていますが、DJIが来たらきっとテクノパークみたいになって賑わうんだろうな。
深圳の発展のスピードを垣間見た瞬間でした。

初めてMakerFaire深圳を見た感想

フェアは2日間ありましたが、最初の1日でだいたい見て回ることができたので2日目は行きませんでした。

実を言うと行く前の期待の方が大きくて、実際に見てみるとその規模の小ささにがっかりしました。
モーターショーとか、「組込みシステム開発技術展(ESEC)」みたいな企業主導のフェアが頭の中にあったからでしょうか。
深圳という大都市で行われるフェアであることも期待が膨らんだ理由かもしれません。
MakerFaireの支持母体は一度倒産していますし、運営はうまくいってなかったのかも知れません。

MakerFaire体験後の自分のイメージは、「でかいフェス」ではなく、
「小規模の草の根ネットワーク的なフェス」というイメージに塗り替えられました。
日本で言うと、ソフトウェアの祭典OSC(オープンソースカンファレンス)に近いかも知れません。

どちらも、 個人がそれぞれ自分が自信を持って作った成果物を持ち寄り発表する という
「夏休みの工作の発表会」の大人版的な雰囲気を持ちます。

今回見たMakerFaireも、そういう自由で責任の無い場であることを反映してか、
・出展してるけど故障して動かない
・まだ完成してない
といった中途半端な出品も多く見受けられました。こういうゆるい感じのフェアなのでしょう。

目を見張るような奇抜なアイデアや技術を使ったものはなく、
「めっちゃ感動した!」
とはならなかったのですが、
個人レベルでいろんな困難にチャレンジしている出展者の背中を見ていると、自分も何かワクワクするものを作りたい衝動にかられます。
何か作っている人はそれだけでかっこよくて、しかしこれで世の中を変えるインパクトにはならない、そんなやるせなくて複雑な感情を抱いて帰ってきました。

第10話目おわり

2019/11 中国旅行ブログもくじ

第1話
中国・西安観光、城壁の上をサイクリング。お手軽に自転車を借りられます。
西安には一周14kmの城壁があります。
この城壁の上は登ることができて、上を歩いたりサイクリングすることができます。
第2話
行き方詳細解説:中国・西安にある恐ろしく険しい山・華山。恐怖レポート
崖っぷちの登山道がある、めちゃくちゃインスタ映えする山に登ってきました。
第3話
行き方解説:中国・西安で行くべき場所・兵馬俑(へいばよう)二千年の歴史を見よ
兵馬俑は兵士の人形が大量に埋設されている紀元前200年前の遺跡で、世界遺産にもなっています。
第4話
中国・西安で食べるべき名物料理13選を詳しく解説
西安で食べた名物をご紹介します。bianbian面がおいしかった。
第5話
中国・西安観光 貴重な歴史遺産を展示する陝西歴史博物館(陕西历史博物馆)
膨大な量の展示物がありました。兵馬俑も置いてました。
第6話
中国・西安 大衆浴場・銭湯・スパ・温泉の探し方と体験レポ
寝台列車に乗る前に体を洗っておこうと思ったので銭湯に行きました。
第7話
中国でDiDi(タクシー配車アプリ)を使ったら超絶便利だった件
タクシー配車アプリDiDi(滴滴出行)がものすごく便利でした。中国語会話必要なし。
第8話
中国・西安は両替所が無い。その他見たもの観光したもの
西安で体験したその他いろいろなことがら。
第9話
中国の鉄道の乗り方を予約から解説。長距離寝台列車に乗ってみました
西安から深圳(深セン)まで2000kmの距離を乗車しました。29時間の旅
第10話
中国・深圳(深セン)のMakerFaire Shenzhen 2019。個性あふれる出展
ハードウェア系のモノづくり、電子工作をしている人の発表の場MakerFaire Shenzhenを見てきました。
第11話
中国・深圳(深セン)で景色の良い観光お手軽ハイキングコース。南山公園
見晴らしも良く、香港も見えるし深圳の大都会も眺められるのでおすすめです。
第12話
中国・深圳(深セン)から日帰り広州旅行。広州はグルメの街だった
広州はおいしいものがいっぱいありました。深圳から電車ですぐ行けます。
第13話
中国・深圳(深セン)での民泊宿、おいしかったものなど紹介
深圳で体験したその他のものを紹介しています。図書館がすごく大きかった。
第14話
香港で食べた朝ごはん。食事の物価は日本より高い。肉片粥と即蒸鮮蝦腸粉。
中国から香港に渡りました。香港の食事は高い。
第15話
香港の現状。デモ騒動で道が破壊されていたり落書きがあったり。
観光客が訪れるには危険なところもあるんだとは思いますが、昼間の香港はおおむね平和でした。

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2018/3/18〜21にかけて中国・深圳(シンセン)に行ってきました。3ヶ月前に初めて深圳に行きましたが、それにひきつづき人生2回目の深圳です。 3ヶ月前に深圳に行ったときのブログはこちら。 前回の一人旅深圳旅行におい …

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