作者:上村崇 フリーランスのIT系エンジニア
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中国・西安で食べるべき名物料理13選を詳しく解説


2019/11に中国・西安に行きました。レポート第4話目です。
この旅行記はシリーズ記事になっています。目次はこちらから。

西安名物の美味しいものをご紹介します。
個人的には、夫妻肺片bianbian面が忘れられないおいしさでした。

もくじ

羊肉泡馍(羊肉泡莫、ヤンルーポーモー)

羊肉泡馍、羊肉泡莫とは、羊肉のスープの中に、パンを細かくちぎったものが入っている汁料理。
見た目は大きくないですが、お腹いっぱいになります。
注文すると、1人分の器につきパン2枚が与えられます。
この時点ではまだ料理になっていません。
まず、このパンを自分の手で細かくちぎっていきます。
ちぎり終えたらスタッフの人に渡し、スープと具材を入れて調理してもらいます。
こういう一連のプロセスも食事を楽しむエンターテイメントの一部として捉えられているんだと思います。


出来上がったら再び自分の席に届けられ、食べることができます。
羊の肉に胡椒がよく効いたスープでおいしいです。
普通羊肉泡馍 30元(450円)
にんにくの砂糖漬けも一緒に提供されます。これもおいしい。
これを食べた店は西安の中心部にあります。地下鉄1号線洒金桥(灑金橋)駅から南東方面に徒歩で行けます。
大众点评 果渊斋老米家泡馍馆(回坊总店)
高徳地図 果渊斋老米家泡馍馆(回坊总店)

夫妻肺片。辛さが病みつきになる

これは西安名物というより四川料理です。
大雁塔近くの大悦城というショッピングセンター内にある、四川料理の店三俞竹苑で食べました。
夫妻肺片 46元(700円)
見た目から想像できる通りすごく辛いのですが、このタレを何度もスプーンですくって飲んでしまうほど病みつきになりました。
とてもサラサラした油(ラー油?)が特徴的で、牛の内臓を香辛料を利かせて煮込んだものです。冷菜に分類されます。
四川省の成都市で郭氏と張氏の夫婦が牛タン、牛のレバー、牛の胃袋を調理して完成させたことから、この名がついたそうです。
また食べたい…

水煮魚 これも辛いがうまい

さきほどの夫妻肺片と同じ店で食べました。
水煮魚という優しそうな名前がついていますが、これも殺人的に辛いです。唐辛子と山椒がやりすぎなほど入れてあって、本気で殺しにかかってる感があります。
舌がしびれて麻痺するような辛さで、子供だったら泣き出しそうです。
でも不思議とこれも病みつきになるんですよね。
この店の名物料理みたいです。
129元(1930円)

bianbian面 西安の代表的な麺

西安の街中では、このbianbian面(ビャンビャン麺)を提供する飲食店が多く存在します。
僕は西安郊外の華山に行ったときに食べました。
これすごくおいしかったです。ちょいピリ辛の汁なし麺で、麺が平べったい。
日本で食べたこと無い味で、形容しがたいのですが、麺とタレがマッチしててほんとにおいしかったです。
25元(380円)
bianbian面の漢字はとても複雑で、57画あります。
西安の街中で食べたい場合は、下で紹介する「老李家biangbiang面(钟楼店)」という有名な店で食べればいいと思います。


烤肉 羊の串焼きがワイルドでおいしい

烤肉(カオロウ)とは肉の串焼きです。
シルクロードの起点の西安では、イスラム文化の影響を受けて羊の料理が多くあります。 肉の小片を串に挿すいわゆる串焼きのお店もあります。
唐辛子やその他調味料で味付けされた羊肉は、中華料理とはちょっと違う異文化の匂いがしておいしかったです。
メニューには一串あたりの価格が書いていますが、注文単位は20串からです。
でも1串あたりのボリュームは大きくないので、20串くらいは一人で全部たいらげることができます。
酸梅汤という梅のジュースもおいしかった。
1件目は哈桑烤肉坊というお店です。
西安中心部のイスラム通りにあります。
ここはイスラム系の飲食店が多く立ち並ぶ通り。
ここのスタッフの兄ちゃんがとてもおもしろくて、言葉が通じなくてもジェスチャーでとても愉快に説明してくれました。
しかも、どこからか日本語を勉強している学生を呼んできて通訳させるという機転を利かす(笑)
大众点评 哈桑烤肉坊
高徳地図 哈桑烤肉坊
洒金桥(灑金橋)駅から徒歩。
2軒目はタクシーで北に移動して、小佐烤肉というお店。
ここでも烤肉を食べました。
いろいろメニューがあって楽しい。
ここも注文単位は20串からでした。
ビールはだいたい青島(チンタオ)で、チンタオビールの中でも1903とか純生などの種類があるようです。3種類飲んだけど、あんまり味の違いは分からなかった。
店のおばちゃんがとても世話をやいてくれて、食べ方を指南してくれました。


西安駅から見て、の北のほうにあります。
大众点评 小佐烤肉(开元路总店)
高徳地図 小佐烤肉(开元路总店)

重庆小面(重慶小面) ピリ辛の麺

この日の夜3件目。(どんだけ食べるねん)
重庆小面(重慶小面)とは、中国の都市・重慶で主に食べられているピリ辛のラーメンです。
西安にも、道を歩いていると重慶小面のお店を見つけることができます。
先程の小佐烤肉の店からうろうろして、最初に見つけたお店に入りました。
小面の小(9元)を注文。
小でもけっこうなボリューム。
中国では、小と大のサイズがあった場合、大を頼んだらだいたい後悔します。
日本人には小サイズでちょうどいいと思います。
美味しかったですが、感動するほどの味ではなかったです。本場の重慶で小面を食べた経験がある同行のU氏曰く、「ちょっと味が違う」とのことでした。
やっぱり本場で食べないとダメかな~。

八宝粥 甘くてやさしいデザート

朝ごはんに食べた八宝粥
多分8種類くらいの豆を煮てトロトロにしたものです。
甘いデザートのような、日本で言うとぜんざいみたいなあったかい飲み物。
8元(120円)
西安郊外にある兵馬俑博物館に観光に行ったとき、近くの飲食店で食べました。

涼皮(リャンピー) 冷たいピリ辛の麺

涼皮(Liángpí)は冷たい麺です。主に夏場に食べるそうです。
これもピリ辛で、日本で言えばそうめんを食べるみたいな感覚かな。
お米の粉を原料としてつくられた冷たい麺に具がたくさん載ってて、食べる前にかきまぜて食べます。
確か20元(300円)
兵馬俑をガイドしてくれた中国人女性が
「ここの涼皮がおいしいのよ」て紹介してくれた涼皮研究所の涼皮。
兵馬俑博物館の近くに飲食店街がありますが、その中にあります。

蘭州牛肉拉面 蘭州発祥のうまい麺

蘭州牛肉拉麺の店も西安にはたくさんあります。
日本にも最近たくさん蘭州牛肉拉麺の店ができてポピュラーになってきていますね。
味は日本で食べた蘭州牛肉麺と同じ風でしたが、ここ西安は蘭州に近い位置にあるので、より本場の蘭州牛肉拉麺が食べられます。こころなしか少し本場感ありました。
確か12元(180円)だったと思います。安いです。

西安の居酒屋 いろんな料理に目移りしちゃう

居酒屋で頼んだメニュー。
遇见长安葫芦鸡
まるごとチキン。ボリュームありました。
58元(870円)。
でもなんか物足りないんよね。ちょっとパサパサしてる。
街中にケンタッキーフライドチキンをよく見かけるのだけど、それはケンタッキーが人気だからなんだろう。
中国人からみても、チキンはケンタッキーの方がうまいということなんだろうか。
左: 上記のチキン
中: 焼餃子 16元(240円)
右: 铁锅鲜鱼上上签 魚の辛い鍋 58元(870円)
餃子は、多分日本で食べた方がおいしい。
あまりジューシーじゃない。
中国はやっぱ焼き餃子より水餃子かな。
中華料理と行っても、すべてがおいしいわけではないです。
桂花凉糕 22元(330円)
甘いデザートでした。モチモチした食感がたまらない。ういろうみたいな感じ。
「桂花」はキンモクセイ。「凉糕」は冷たいケーキです。
この居酒屋はショッピングセンターの中にありました。
メニューたくさんあって、どれを食べようか迷います。
西安駅から見ると北のほう、盛龙广场というショッピングセンターの中にあります。
大众点评 遇见长安(盛龙广场店)
高徳地図 遇见长安(盛龙广场店)

油泼面(油潑面、ヨーポーミエン) リーズナブルな麺

油泼面(Yóu pō miàn)は、さきほど紹介したbianbian面の弟分的な麺です。
麺は同じで具が違う。
人参などを刻んだシンプルな具を乗せて、熱したピーナッツ油をかけたものです。
小サイズで9元(135円)
大众点评 老李家biangbiang面(钟楼店)
高徳地図 老李家biangbiang面(钟楼店)
西安鐘楼(西安钟楼)の近くにあります。
この店はbianbian面が有名みたいなのでぜひ食べてみてください。
僕は別の店でbianbian面を食べてしまったので、ここではあえて別のメニュー「油泼面」を食べました。
再訪したときにbianbian面を食べてみたいと思います。

灌湯包(灌汤包、ガンタンパオ) 西安風の小籠包

小籠包とあまり変わりませんが、灌湯包という西安の名物だそうです。
西安の名物は羊肉が入っているそうです。
僕は牛肉灌汤包(20元、300円)を食べました。
量のわりにはちょっと高いです。
もっと感動的な美味しさかなと期待していたんですが、味は普通でした。
これだったら台湾で食べた小籠包のほうがおいしかったな。

回坊風情街(回民街)周辺 食べ歩き天国

西安の中心部にある鐘楼(钟楼)の北西側に広がる回坊風情街(回民街)は、食べ歩きできるメインストリートです。
夜になると若い子や観光客がいっぱい往来しています。
ここでいくつか食べ歩きしました。




回民街は西安鐘楼(钟楼)の北西にあります。
高徳地図
爆炸大鱿鱼です。ビッグイカです。イカの姿焼き。
中国内陸の西安にイカが?
と思ったのですがこれは沿岸部からわざわざ送ってきてるんですかね?
あまり新鮮味はなさそう。
20元(300円)
日本の露店でもそうですが、露店で食べ歩きするこういう食べ物は少し高めです。
普通においしかったですけど、特別おいしいというわけではない。
あと、大きくて食べにくい。
たぶん秘制爆肚ってやつなんだと思います。
他の人が食べてるのを見て「同じやつをちょうだい」て言って注文したので名前が分かってないです。
爆肚って腹のモツ? 調べると北京の食べ物?
甘辛くておいしかった。
10元(150元)
羊蹄って書いてあるから羊のひづめ?
豚足みたいなもんでしょう。
ほっかむりをしたイスラム系女性が給仕してくれました。
西安はイスラム教圏に近いので、豚はNGであり羊系の食べ物が多い。
味はまさに豚足みたいでおいしかった。しかしこれも食べにくい。
口の周りがベチャベチャになります。
15元(230円)
関係ないけど北海道の羊蹄山もこの漢字だね。
肉夹馍(ロオジャーモー)は西安名物です。肉を挟んだハンバーガーみたいなもの。
どこでも売ってます。
この回民街では、人気店ではすごい行列が出来てました。
僕は並ぶのが嫌なので空いている店で買いました。
15元(230円)
肉まんみたいなものと考えればいいでしょう。
烤肉という羊肉の串焼き。 店の中で食べる烤肉よりも少し大きめですが値段も10元と高い。
10元(150円)
これだけでこの値段って、日本よりも高いかも。
味は臭みもなく美味しかったです。塩味が効いてもっと食べたくなる。

回民街は見て歩くだけでも結構楽しめます。




第4話おわり

2019/11 中国旅行ブログもくじ

第1話
中国・西安観光、城壁の上をサイクリング。お手軽に自転車を借りられます。
西安には一周14kmの城壁があります。
この城壁の上は登ることができて、上を歩いたりサイクリングすることができます。
第2話
行き方詳細解説:中国・西安にある恐ろしく険しい山・華山。恐怖レポート
崖っぷちの登山道がある、めちゃくちゃインスタ映えする山に登ってきました。
第3話
行き方解説:中国・西安で行くべき場所・兵馬俑(へいばよう)二千年の歴史を見よ
兵馬俑は兵士の人形が大量に埋設されている紀元前200年前の遺跡で、世界遺産にもなっています。
第4話
中国・西安で食べるべき名物料理13選を詳しく解説
西安で食べた名物をご紹介します。bianbian面がおいしかった。
第5話
中国・西安観光 貴重な歴史遺産を展示する陝西歴史博物館(陕西历史博物馆)
膨大な量の展示物がありました。兵馬俑も置いてました。
第6話
中国・西安 大衆浴場・銭湯・スパ・温泉の探し方と体験レポ
寝台列車に乗る前に体を洗っておこうと思ったので銭湯に行きました。
第7話
中国でDiDi(タクシー配車アプリ)を使ったら超絶便利だった件
タクシー配車アプリDiDi(滴滴出行)がものすごく便利でした。中国語会話必要なし。
第8話
中国・西安は両替所が無い。その他見たもの観光したもの
西安で体験したその他いろいろなことがら。
第9話
中国の鉄道の乗り方を予約から解説。長距離寝台列車に乗ってみました
西安から深圳(深セン)まで2000kmの距離を乗車しました。29時間の旅
第10話
中国・深圳(深セン)のMakerFaire Shenzhen 2019。個性あふれる出展
ハードウェア系のモノづくり、電子工作をしている人の発表の場MakerFaire Shenzhenを見てきました。
第11話
中国・深圳(深セン)で景色の良い観光お手軽ハイキングコース。南山公園
見晴らしも良く、香港も見えるし深圳の大都会も眺められるのでおすすめです。
第12話
中国・深圳(深セン)から日帰り広州旅行。広州はグルメの街だった
広州はおいしいものがいっぱいありました。深圳から電車ですぐ行けます。
第13話
中国・深圳(深セン)での民泊宿、おいしかったものなど紹介
深圳で体験したその他のものを紹介しています。図書館がすごく大きかった。
第14話
香港で食べた朝ごはん。食事の物価は日本より高い。肉片粥と即蒸鮮蝦腸粉。
中国から香港に渡りました。香港の食事は高い。
第15話
香港の現状。デモ騒動で道が破壊されていたり落書きがあったり。
観光客が訪れるには危険なところもあるんだとは思いますが、昼間の香港はおおむね平和でした。

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