作者:上村崇 フリーランスのIT系エンジニア
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黒糖焼酎工場と黒糖工場の見学。奄美大島の名産を深く知る


2020/1に奄美大島を観光しました。
そのときに、黒糖焼酎の工場2件、黒糖工場を1件見学しましたのでレポートします。
・奄美大島開運酒造
・町田酒造
・水間黒糖工場

これ以外の観光スポットの記事は別にしてあります。あわせてごらんください。
奄美大島の旅。関西からPeach就航で安く行けるし観光スポットを紹介する

黒糖焼酎工場:奄美大島開運酒造

奄美大島開運酒造は奄美大島の南の方、宇検村にある黒糖焼酎工場です。
空港や港から遠い島の南側は遠いのでなかなか足を運びづらいです。観光客はあまり来ないかも知れません。
奄美空港からレンタカーで1時間半かかってようやくたどり着きました。
ここでは工場見学を受け付けていて、工場の中を見せてもらうことができました。
黒糖焼酎を作っています。「れんと」という銘柄が有名で、全国発売しています。
関西にある私の家の近くのスーパーにも置いてます。
しかしこの工場で作る生産量の半分近くは奄美大島島内で消費されるそうです。島民おそるべしですね。
黒糖焼酎の原料となる黒糖の生産量に限りがあるため、焼酎もいくらでも作れるというわけではないようです。
焼酎全体における黒糖焼酎のシェアはわずか2%くらいです。
焼酎といえば麦焼酎芋焼酎が有名です。
麦や芋に含まれるデンプンを、麹が分解しを作ります。その糖からアルコールが作られます。
しかし黒糖は糖そのものです。ですから麦や芋を原料として作る焼酎とは分類が違うんですね。
分類としては、サトウキビから作るラム酒と同じスピリッツになります。
しかし、奄美群島だけはこの黒糖から作るお酒を、焼酎として作ることが酒税法上認められています。
逆に、この地域以外では作ることが許されていないのがこの黒糖焼酎なのです。
開運酒造では「音響熟成」という手法でお酒を熟成しています。
タンクに向けてスピーカーを貼り付けることで、タンクに音響の振動を響かせ、味をまろやかにします。
水とアルコールを振動によってなじませて熟成させるんですね。
流す音楽はクラシックで、これがお酒の熟成にちょうどよい振動と塩梅なのだそうです。
タンクに手をあててみると、たしかにタンクが振動している様子が確かめられます。
「れんと」以外の銘柄は、この工場でしか売ってなかったり、島内でしか手に入らないものばかりで貴重です。

工場見学の情報は公式サイトをごらんください。
奄美大島開運酒造の原点|黒糖焼酎れんとの奄美大島開運酒造公式サイト

黒糖焼酎工場:町田酒造

奄美大島の北部、龍郷町にある町田酒造の見学です。
町田酒造の工場見学は、午前3回、午後3回のスケジュールで設定されていてかなり力を入れている風に見えます。
見学者が少人数でもやってくれるところが懐深い。
工場の敷地は広くて、巨大なタンクがいくつもありました。
3年熟成の焼酎「里の曙」を作っている関係上、貯蔵用のタンクが多く必要なのでしょう。
案内してくれたお姉さんは、笑顔がすてきな人でした。
見学中、行き交う従業員の方も気持ちよくあいさつしてくださり、どなたも生き生きとしていました。施設も清潔に保たれており、とても働きやすそうな雰囲気を感じました。
龍郷」という21年ものの銘柄を買って帰ったのですが、深い味わいでとてもおいしかったです。
21年もののお酒が2300円ほどで買えるというのも驚きです。安い。

町田酒造の焼酎の特徴は「黒糖多めに使ってる」「三年貯蔵」「減圧蒸留」です。
普通の焼酎は「常圧蒸留」ですが、減圧蒸留方式によって雑味のないさわやかで軽快な口当たりになるそうです。

町田酒造の工場見学の情報は以下をごらんください。
蔵見学 予約申込 | 奄美大島の黒糖焼酎 里の曙 – 町田酒造株式会社

水間黒糖工場

古くから奄美大島で黒糖を作っている工場です。
ほとんど全ての工程を昔ながらの手作業で作っており、限られた量しか生産ができません。
そのため、ここの黒糖はとても希少価値が高いものとなっています。
サトウキビの収穫時期は冬場であり、夏は採れないため、黒糖工場も休業しているそうです。
冬場のさとうきびの収穫時期に朝4時ごろから製造作業を始め、昼頃にはその日の作業を終了します。
工場の見学はできますが、上記のように冬場の午前中しか作業を見られるタイミングがありません。

サトウキビの搾汁を火にかけてから黒糖が出来上がるまで2時間くらいの作業ですが、その時の温度環境、煮詰める時間、サトウキビの質によって毎回味が変わってくるそうです。
店頭には、どの製造作業で造られた黒糖であるかが分かるようになっており、食べ比べてから購入できます。

黒糖は、製造工程で板に流し込んで固めたものを四角く切ったブロック状のものが一般的ですが、それとは別に「鍋かき黒糖」というものが存在します。
これは、撹拌過程で鍋の底にこびりついた黒糖をこそげ落として商品化したものであり、いわば「残り物」のような製品です。
しかし、ブロック状になっていないため柔らかく、舌の上でとろけるような食感を持つことからかえって人気があり、また生産量も少ないのでとても貴重な黒糖です。
味わってみましたが、今まで食べた黒糖とは異次元の味がしました。いくらでも食べられそうで怖いです。



これ以外の観光スポットの記事は別にしてあります。あわせてごらんください。
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おわり

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