最初に。
この本は泣くだろうなと思ってはいましたが、やはり泣いてしまいました。
そもそも読む前からカバーにある笑顔をみただけで泣きそうになります。
この人のような笑顔は、作ろうとしても作れません。
この笑顔こそがこの人の生き様なのです。
リンゴは他の作物よりもデリケートで、農薬を使わなければ実をつけることなど絶対不可能と言われていました。
その不可能と言われた問題に一人で立ち向かっていった人の記録です。
プロジェクトXで2006年に放送されたそうですから、見た人もいるんだろうと思います。
http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/061207/index.html
僕は見てませんでしたが。
この本は、テレビで伝えきれなかった内容を書籍化したものだそうです。
リンゴ農家の木村さんは、不可能と思われることでも、1つのことを信じて一生懸命になれば、それは不可能ではなくなる、
ということを体で体現された方なんだと思います。
リンゴの木とリンゴ農家という、1つの小さな世界のドキュメンタリーではありますが、その挑戦を通じて、
「リンゴの木が1本の木だけで生きられないのと同じように、人も1人で生きていけるわけではない」
と木村さんは気づきます。そしてその真理を僕たちに伝えようとしているのです。
なぜ農薬も肥料も使わずにりんごが実るのか、その科学的なメカニズムは今なお明らかになっていません。
確かなことは、木村さんの雑草の生い茂った畑には、多くの虫が息づき、カエルが卵を産み、鳥がさえずる。そこは
本当に気持ちがいい場所です。りんごの木にとっても、きっと同じだと思うのです。
「リンゴの木は、リンゴの木だけで生きているわけではない。周りの自然の中で、生かされている生き物なわけだ。
人間もそうなんだよ。人間はそのことを忘れてしまって、自分独りで生きていると思っている。」
自分も木村さんのような笑顔を、生き様とともに後世に伝えられるような人になりたいですねぇ。
ここのブログを参考にしました。
若輩社長 ~13畳からのはじまり~
自分の書評だけではうまく伝えられるか自信がないので…人の手を借ります(汗
順序が逆になりますが、プロジェクトXも見てみようと思います。
追記:
プロジェクトXも見ました。45分程度でこの物語を完結させるのはやはり難しいのですね。本の方が絶対感動は伝わると思います。