2018/3/19〜21の3日間で行われた中国・深圳の工場見学ツアーニコ技深圳観察会の2日目のレポートです。
このツアー記のもくじはこちらです。
1件目 9:40 Cityeasy 深圳市城市漫步科技有限公司
パクリ風ロボットが出迎えてくれるエッジのきいた会社でした。
ペッパーくんみたいな風貌のこのロボット(マンディくん)は、おそらくゼロから作ると費用も工期も人手も膨大なものになるでしょうが、現在流通している技術やデバイスを使ってうまく組み合わせて作っているため、
・いとも簡単に作り上げる
・優秀でもなさそうな人でも作れる
・全然悪びれてないから平気でパクる
という特徴があります。この会社も「中国はこうでなくちゃ」ていう私の期待を裏切らない会社でした。
マンディくんはこんなことができます。
・自走する。超音波を出して衝突回避できる
・人のうしろについていく
・画像認識できる
・音声による受け答えができる
・謎のダンスをする
カスタマイズなしのパッケージ販売だと50万円、業務用にカスタマイズすると170万円くらいだそうです。
実際に、中国のローカル銀行にも設置されている実績があるそうです。
今までに3000台売れたそうです。
小さいロボットもあります。5万円くらい。贈り物などでニーズがあるみたいです。
僕はこういうパクリ文化が大好きです。イノベーションはパクリから生まれると思っています。
他には、こういうスマートウォッチも作っています。
この会社のホームページは無いんかな?
探した限りではここしか無いんだけど、こういうアングラでひっそり売ってる感がまた味わい深いです。
2件目 11:15 DOBOT 越疆科技
DOBOT
ロボットアームを作っている会社です。
会社の中にショールームがあり、そこでデモを見せてくれました。
お習字ができるロボットはすごい。
こういうロボットはAPIが公開されており、JavaとかPythonを使ったプログラミングでロボットを制御できます。
小学生も参加できるコンテストがあるみたいです。おもしろそう。
欧米企業とも取引があり、英語ができる人が多い印象でした。プレゼンも英語でした。
世界を見すえた企業は語学も堪能な優秀な人がいっぱいいます。
製品のプロモーションビデオはこちらをご覧ください。
3件目 13:40 HoneyComb 深圳天行创新科技有限公司
HoneyComb
会社ができてまだ1年半くらいだそうです。
オフィスは狭い場所でしたのであまり説明をゆっくり聞けなかったのですが、教育用の電子デバイスを作っているようです。
HoneyCombのオフィス周辺は深圳市软件产业基地(深圳ソフトウェア産業拠点)と呼ばれており、ソフトウェア系の大企業やスタートアップ企業が集まるところです。国家としてもこの地域の発展に力を入れているそうです。
テンセント(Tencent、腾讯)の新オフィスビルはでかくて圧倒されました。300億円の費用をかけて建築されたこのビルは今年から稼働するようです。
4件目 15:10 KANDAO 深圳看到科技有限公司
KANDAO
360度カメラとかいろいろ作ってます。ここも、昨日見学したInsta360と同様、ソフトウェア技術者が多い印象でした。
従業員は100人くらいかな。
映像を扱うとなった場合、やはりハードウェアだけじゃなくて画像処理技術などのソフト面でのウェイトが必然的に高くなってきますね。
見学者数十人を収容できるプレゼンルームがないため、従業員が仕事している部屋をそのまま使いました。
そこで働いていた社員の方を追い出して… なんか恐縮ですw
CEOのChen dan氏のプレゼン。室内を360度カメラで撮るだけでこのような立体画像の見取り図(グリグリ動かせる)ができるらしい。すごい。
立体撮影が可能な全球映像カメラ「QooCam」について日本語でもレビューがあがってます。
スマホを本格VRデバイスにするアダプター、完全自動の天体望遠鏡~CESで見かけたスマホ連動イメージングデバイス – ケータイ Watch
また、VR機器も作っているみたいです。
モデルはツアー参加者の谷口さん。
スマホを取り付けた簡易VRセットって感じですが、けっこうリアルできれいな映像だったのでびっくりしました。
こうやって有り物で作りあげる中国のクリエイティビティには感心します。
上を向いたり横を向いたりすると追従して景色が変わるのが面白いです。
ただ、この感情を伝える手段がないのが残念です。VRヘッドセットって、装着している本人はその世界に入り込んで「すげー!」とか感動できるんですけど、本人しか見えないので他人に理解してもらう手段が無いんですよね。
5件目 17:00 X Factory 柴火创客空间
X Factory 柴火创客空间
ハードウェア技術者向けののコワーキングスペースのような場所です。
一ヶ月600元だから1万円くらい。料金は日本のコワーキングスペースとあまり変わりません。
いろんなマシンや工具が置かれていました。
スタッフのViolet Suさんのプレゼン。英語がネイティブ並に流暢でした。
一つ気づいたことですが、英語とか外国語ができる人って、外の世界を知っているためか、ものすごく感受性が豊かで物腰がやわらかいです。うまく言えませんが中国人らしい不躾な態度とか、押し付けがましさとかがないんですよね。誤解をおそれずに言うと、彼女は中国人の中で「民度」という尺度では上位に位置する人だなと思いました。日本でも、戦後高度成長期から現在にいたるまでの間、タバコをポイ捨てしたり立ち小便したりするのが当たり前だった時代から、「そんなことは常識がある人ならやらない」時代へと移り変わってきたでしょう。中国も今まさにその変化の途中で、彼女においてはその過程の先頭を走っており洗練されている、そんなイメージなんです。きっと時代が進めば、彼女みたいな中国人も増えてくるんだろうと思います。
6件目 Xiaomi旗艦店
スマホやパソコンのメーカーXiaomi(シャオミ、小米)の深圳旗艦店です。
Appleストアぽい出で立ちで、室内もおしゃれな雰囲気をかもしだしていました。
こういう、文字ばっかりの模様って中国人はわりと好きな気がする。
スマホやパソコンはもちろん売っていましたが、別のフロアに生活家電とかベッドなどが展示してありました。
Xiaomiが支援しているベンチャー企業の製品だそうです。
夕食 20:00 四季合味椰子鸡(南山店)
Xiaomi旗艦店から歩いていけるところで夕食。
ビールが安いのでどれだけ飲んでもそんなにかかりません。
瓶ビール1本200円弱くらいだと思います。