桜田ケイ著「はじめてでもすぐ占える かんたんタロット」を読みました。
彼は大学時代の友人で、今はタロット占い師をしているかわった奴です。
初めて出版した本(だと思う)なので、興味があり読んでみました。
占いは信じない方だし、占い師に占ってもらったこともない(彼には大学時代に一度みてもらったかも知れない)ので、
こういう世界はほんとに知らないのですが、そういう人でも分かりやすくとっつきやすい本です。
これを手元においておけば、自分でセルフ占いもできると思います。
タロットカードは22枚+56枚の合計78枚あります。そのうちの基本である22枚について本書は解説しています。
56枚のほうも気になりましたが、それを説明しだすとキリがない?ということになるんでしょう。
基本の22枚(大アルカナ)は番号で言うと0~21。0が入っているところはナゾですが、システム屋の僕に言わせれば
C言語チックな感じがして親しみがもてます。
タロットカードには「太陽」とか「正義」とかのカードとかばかりではなく、「悪魔」とか「死神」のような悪そうなカードも
もちろん存在します。
しかし、一見悪いカードも、かならず希望が持てるように逃げ道が残されています。
それはタロット占いが「善い・悪い」を決めつけたり「当たる・当たらない」を評価するための占いではなく、今日の占い
の結果を真摯に見つめて、これからどうするのがよいか解決策を頑張って見つけ出そう、という、前向きな気持ちを
注入するための占いであることを思わせます。
占って欲しいことに対する解決策がA,B,Cの3種類あったとして、被験者がすべての選択肢についてはあらかじめ
知っていたとします。
でもどれを選んでいいか分からない。そのままでは前に進めない。
例えば金を貸している相手に対して、「取り立てる」「踏み倒される」「少しずつ返してもらう」の選択肢は知っていても、
どれを選んでいいのか分からない。
そういうときにタロット占いをして、訓示を訊くと、背中を押されたような感じがして一歩前に踏み出せます。
そういう効果がある占いなんだと思います。
いや、タロット占い以外の占いもそういうもんなのかも知れんけど。この本しか読んでないので。
別のケースとして、B,C,の選択肢があることに気が付いていなくて、占い師によりB,Cの選択肢があることを教えても
らう、という場合。
新しい出会いが無いという人に、「こういう趣味や習い事を始めれば出会いがあるのでは?」とか「スポーツでも始めれ
ば?」とか「周りの人にとにかくどんどん紹介してもらえば?」
といったアドバイスを受けるような場合ですね。
そう考えると、占い師ってのは単なる予言者ということではなくて、宗教の教祖とカウンセラーを足して2で割ったような
存在なのかな、と思ったりします。
占いという神秘的なバックグラウンドを武器に、人生相談およびカウンセリングをする人というか。
先ほども書いたように、タロット占い師がそうなのか、占い師全体がそうなのか、あるいは著者だけがそうなのか知る
ところではありませんが。
タロット占い師にできるのは、ただあるがままにカードを読むこと。
答えを示すのではなく、そこにある状況を観て、少し先の選択肢と可能性を知ってもらうこと。
それが、占い師の自分が相談者に対してできることのすべてです。
考えたら細木数子も宗教者のようなカウンセラーだよね。押しつけがましい度はMAXだけど。
しかし占い師って、職業柄、人の悩みをたくさん吸収してきてるから、自分の身にどんななことが降りかかってもたくましく
生きていけそうな気がします。
どんな問題が発生しても、それはもう人の話を聞いて体験済みであり、即座に解決策が思い浮かぶっていうか。
彼もあの歳で人生を達観してるところがあるんじゃないかなぁ。
それとも人生は知れば知るほど底が見えない奥の深いものなのか。