神永正博著「不透明な時代を見抜く「統計思考力」」を読みました。
すんごいおもしろい本です。dankogaiが絶賛するのも分かります。
「小泉政権によって格差が拡大した」「若者は本を読まなくなってきている」といった通説がありますが、それはなんとなく人々が感じていることがそのまま世間的に広がってしまっただけのことで根拠はありません。それはデータをちゃんと見て、本当はどうなっているかをグラフ等にしてみればそれらがウソであることがはっきり分かります。
「生のデータを直接見て、自分で解析・解釈することの大切さ」を自称「データ分析オタク」の著者が、数式をできるだけ使わない分かりやすい切り口で丁寧に解説してくれています。
インターネットの普及によって、各種統計資料は素人にも簡単に手に入る時代になりました。その気になれば専門家が扱うデータだって手に入ります。そんな時代だからこそ、自分自身でデータをうまく扱う技術を身につけ、人がまだ気がついていなかった事実や、自分なりの解釈を加えることで新しい見方を展開していくことが、これからの未来を有利に生きていく上で必要なんでしょう。まだまだ知られていない事実や、着眼点はいっぱいあると思います。
自分の未来を考える上で、統計思考=データ分析ほど強力な方法論は他にないと思います。わたしは、どこにいるか、いつ助けてくれるか分からない神様よりも、データ分析の力を信じています。データ分析力は、あなたがサバイバルできる確率を大きく持ち上げるに違いありません。そして、みながこれに気づくことが、日本が暗いトンネルを抜けるための唯一の道なのだと思います。私がデータ分析をお勧めするのは、データ分析が、自力でモノを考える際に強力な武器になるからです。
他の人が気づいていない問題を見つけ出し、自分で考えて結論を出すことです。だれかが書いたデータの解釈を読まされている状態から、自分でデータを読むようになれば、見える世界が変わってきます。
専門家や評論家の解釈を鵜呑みにするだけでなく、僕も自分でデータを見る癖をつけたいなと思います。