小飼弾さんの「仕組み」進化論を読みました。
プログラム言語perlの開発者で有名な小飼弾さんの本です。
僕らのようなIT業界の人は、なんらかのプログラム言語を使って仕事をしているんですが、そのプログラム言語そのものを作る機会はまずありません。
そしてプログラム言語を作るという概念がそもそもよく分かりません。
そういう意味で、プログラム言語を作る人は、どこか神秘的なプログラマーの神様みたいな神々しさがあります。
実際、正規表現の知識や処理高速化の手法についての記述は僕の理解を超えており、よく分からないので、そんな言語開発者の方々に足を向けて寝られない感じです。
この本は、「仕組み」という1つの切り口をテーマにした本です。
たとえば何かモノを作っても、それを流通させて店舗に並べるまでしないと客のもとに届かないし売れないので、モノを売る仕組みを全行程にわたって確立しないとモノを作る意味がないわけです。
そういう今出来あがっている仕組みで社会がまわっているのですが、その仕組みが今どんどん陳腐化しているといいます。
つまり新しい仕組みを作らないと、将来につながる仕事が見つけられません。
その仕組みを作っていくのが人間の役割であり、一度仕組化されてしまうとあとは自動化してしまえる、というプログラマらしい発想のもとに話は展開しています。
日常の仕事を回す時間を20%、残りの80%をこれからの仕組み作りにあてなさいと説いています。確かに将来への投資という意味で、まだ方法が確立されてない仕事や、未知のマーケットや技術へ踏み出していく行為=仕組み作りが重要なのは言うまでもありません。ただ、それを80%ものウェイトを持って行うことができるかどうかは疑問ですが…
本の内容としては、言わんとしているしていることは最近出ているビジネス書の著者の方々の考え方と似ており、単に「仕組み」を切り口にしただけの話ですのでそんなに新鮮な内容ではなかったです。
量もそんなに多くなかったのですらすら読めてしまう感じでちょっと物足りなく感じました。
ま、でもそれは僕がSEであり著者の言ってることをある程度追体験しているからなのかもしれません。