作者:上村崇 フリーランスのIT系エンジニア
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日本語が亡びるとき


日本語が亡びるときを読みました。

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すべての日本人がいま読むべき本」とか「何がいいたいのかよくわからない」とかいろいろ論議を巻き起こしているので興味本位に読んでみました。

この本はある程度文学とか近代史の知識がないと面白く読めないかも知れません。僕は夏目漱石は「こころ」しか読んだことないし、福沢諭吉の本も樋口一葉や二葉亭四迷の本も読んだことありません。
西洋圏の勢力が次々と侵略を繰り返し植民地化していった経緯もあまり良く知らないので、この本はちょっと難しかったです。なので僕はどちらかというと「何がいいたいのか良く分からない」というかむしろ「あまり理解できていない」といった感想です(汗)。
ですが、著者が絶賛する夏目漱石の「三四郎」は読んでみたい気になりました。

思えば、日本ほど他国の侵略を受けてない国はそうそうないんですよね。それでいて島国。それが良くも悪くも日本語だけしか話せない国になったということなんだろうと思います。

しかし現代においては、普遍語である英語の役割がますます重要になってきています。話者人口的には中国語も重要なのかも知れないけど、たぶんそういう量的な観点なのではなくて、先端の学問やビジネスの世界でやはり英語圏の人たちが中心的な役割を演じている質のアドバンテージがあるからこそ、それを直接享受できる英語の重要性がますます高くなるということなんでしょう。

かつて日本においては、地方に住む人が仕事を求めて上京しました。地方では方言を話していたのが、上京して標準語を理解しなくてはならなくなりました。ラジオ、テレビにしても、普及する前はたぶん方言だけ理解できていれば済む社会だったと想像できます。極端な話かも知れませんが、現代ではその標準語にあたる言葉が普遍語=英語に位置付られ、人々は上京を目指すのではないでしょうか。
そしてすでに始まっているインターネットの世紀。「上京先」は具体的な都市を指すのではなく、サイバー空間上のどこかに現れるのかも知れません。
インターネットを通じて世界中のあらゆる場所から発信される情報。そしてそれはリアルタイムに目に飛び込んできます。少しでも時間がたてば鮮度を失う情報の流れの中で、翻訳されるのを悠長に待っている時間などなくなりつつあります。そしていくら翻訳してもしきれないほどの大量の情報がそこにはあります。
自分で直接生の情報を英語で嗅ぎ取る力、それがこれからの時代に必要なんじゃないかと思います。

せっかくなんでアフィリエイト始めました。
おやつ代にでもなれば恩の字ということで。

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