去年の秋にいただいた本なんですが、チマチマ読んでて遅くなっちゃいました… すいません。
今頃書評?っていう声も聞こえてきそうですが(汗)、私の頭の中の整理も兼ねて感想を書くことにします。
この本は言うまでもなく、ITエンジニア向けの本です。
ライブドアのピークトラフィック4Gbps (1秒間に4ギガビットのトラフィックがあるということ)を処理するサーバーインフラシステムについて、構築のノウハウが凝縮されています。
まぁそんなべらぼうな規模のサービスはまず個人レベルでは構築することがないのですが、「大は小を兼ねる」の例えにもあるように、大規模なシステムの仕組みを知っていると、何かと小さいレベルにも応用できるものです。
インフラ、というと私も昔にちょっと仕事でかかわったことがあります。
確か2003年頃、IBMの iSeries(だったと思う)という冷蔵庫よりちょっと大きいくらいのWebサーバーのインフラ担当になったことがありました。
でも、あまりパフォーマンスチューニングぽいところは担当してなくて、バッチで流すシェルをちょこっと書いていたくらいでしたから、パフォーマンスについての知識についてはもともとあまり持っていませんでした。
その後しばらくは組込系など別の仕事をしていたので、今どきのWeb技術満載の本書に書かれていることについてはほとんど知らないことばっかりで、大変勉強になりました。
やはり、高速化のポイントはDB周りのチューニングとかキャッシュ、そしてディスクアクセスをいかに減らすかというところにかかっているんですね。
「DBに接続したら負け」っていうのは名言ですね。
どこがボトルネックになっているのかを見極める判断力や解析力、そしてそれを解決するために仮説をたてて検証する繰り返し。ハードの仕組みからアプリケーションのクセまで幅広く知っていないと、大規模なトラフィックをさばくシステムのエンジニアにはなれません。
こういうサービスにかかわっている方はオールマイティな能力が求められると改めて感じました。
そしてWebサービスは、コストをかけてはいけません。サービスを開始してトラフィックが大きくなってきたら、システムを安価にスケールアウトする仕組みが求められます。
「早い、安い、うまい」の三拍子を常に意識しておかなければならないってことですね。
性能監視とか、メモリキャッシュとかなかなか勉強になることを学んだので、自分の個人Webサーバーでも試してみたいなと思いました。
以下、目次
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Chapter 1 Webサービスの概要と要素技術
Chapter 2 キューイング
Chapter 3 DBキャッシング
Chapter 4 HTMLキャッシング
Chapter 5 検索サービスの技術
Chapter 6 入出力パフォーマンス
Chapter 7 分散ストレージ
Chapter 8 モバイルの技術
Chapter 9 ネットワークを取り巻く技術
Chapter 10 Webサービスの性能評価
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本書でこれらの情報を惜しみなく提供するのには訳があります。
それは、情報共有こそインターネットの神髄であり、情報を共有することでインターネットは発展してきたということを著者らは知っているからです。
インターネットの世界でビジネスを展開する事業者にとって、インターネットの可能性を信じると言うことと、技術情報をオープンにし、共有することは同義であると言えます。もし、交流を拒み、情報公開と共有を是としないというのであれば、それはインターネットの可能性を信じていない証拠です。われわれは今もなお、インターネットの可能性を信じています。本書がその証拠です。
著者の座談会の内容がここに記されていますのでご参考までに。
ディレクターにもおすすめ!「4Gbpsを超えるWebサービス構築術」執筆者インタビュー – livedoor ディレクターブログ
http://blog.livedoor.jp/ld_directors/archives/51248100.html
類似の本として、[24時間365日] サーバ/インフラを支える技術も、実は買って置いてあるのですがまだ読んでません…
こちらも早く読破したいと思います。
あーもっと本読まなきゃなー。