今まさに伸びている会社はやっぱり普通と違いますね。
普通と違うだけに、この会社のやり方をそのまま素直に参考にできるところは
少ないのかも知れません。
しかしこういう、普通ではないことを目指す姿勢をもつことは、どの会社にも意
味があるのではないかと思います。
2008年3月期の売上高は、岩田体制の初年度(2003年3月期)に比べて3.3倍の1兆6724億円に、
本業の儲けを示す営業利益は4.9倍の4872億円に膨れた。
約3800人いる連結の従業員あたりの売上高は4.4億円、営業利益は1.3億円。収益のほとんどを
稼ぐ単体の従業員数で計算すると、その数字は売上高が約11億円、営業利益が約3.3億円に跳ね上がる。
小学生のころはファミコンを持っていましたが、社会人になってからはゲームはほとんどしてませんので、
もちろん任天堂のゲーム機も持っていません。なぜかWiiリモコンだけ持ってるけど…
なので最近は任天堂のゲームがどうしてそんなに面白いのかを体感してないのですが、WiiやDSの圧倒
的な支持を見ると、やはり人の心を捉える何かがあるんでしょう。
同じフィールドで成功を語られるiPhoneについては僕は持ってますが、共通するのは「どうやったら飽きら
れないようにするか」を徹底的に考えていること。
ユーザーに「これしてください、あれしてください」という面倒な操作が極力排除されてるんですね。
技術で補えないところをユーザーに妥協してもらうという姿勢ではくて、徹底的にユーザーに飽きられない
ようにインターフェースも見た目も洗練させています。
こういう甘えなき精神が企業を強くするのかも知れませんね。
岩田は宮本の強さの秘訣を「肩越しの視線」と表現する。
ゲームを作り込んでいる最中の宮本は、しばしば、社内の総務関連の部署などからゲームをやらな
い人を連れてきて、コントローラーを握らせる。宮本は、そのプレイの動きを何も言わず後ろから見つ
め、「あそこが難しいなぁ」とか「あの仕掛けに気付いてもらえなかった。分かりやすく変える必要があ
るな」などと、改善点を次々と浮き彫りにするのだ。
岩田社長と宮本専務は任天堂を語る上で双璧をなす人物ですが、彼らの目線は常に一般の素人に向けら
れています。ゲーム好きな人に触らせれば当然理解できる操作も、素人ならそうはいかない。それでも理解
してもらえるゲームにするにはどうするか。徹底的な素人目線でのこだわりが、他の追随を許さない圧倒的
人気を誇るゲームソフトを作りだします。
ある男性の体験談だ。ある日、かばんからDSを取り出すと、上の画面と下の画面をつなぐヒンジ部分、
その左端を覆っていたプラスチックが割れていることに気付いた。保証期間内であることを任天堂の
サポートセンターに告げると、すぐに「着払いで送ってください」とのこと。
当初の見積もりだと修理期間は約2週間。修理個所は調子の悪かったタッチパネルにも及ぶという。
男性は「コストを考えると普通は交換になるところを、あえて修理するってのはすごい」と感心しながら
待っていた。
ところが1週間ほどで新品のDSが届く。男性を驚かせたのは、そのことではない。古いDSの上部に
貼ってあったシールが、新品DSの同じ場所にきれいに貼ってあったのだ。
当初は修理を試みたが、やはり新品に交換した方がよい判断した任天堂のサポートセンターが、シ
ールを丁寧にはがし、再度貼りなおしたということ。
任天堂の神対応はしばしば話題に上りますね。
任天堂のすごさを垣間見たとき
http://d.hatena.ne.jp/ksh/20071108/1194526972
DSが壊れた! その3 〜 任天堂の修理がマジでものすごい件
http://www.mediapicnic.com/hibikate/archives/2007/05/dsrepair3.html
「山内博という人は、何にこだわっていたか。『娯楽はよそと同じが一番アカン』ということで、とにかく何
を作って持っていっても、『それはよそのとどう違うんだ』と聞かれるわけです。
『いや、違わないけど、ちょっといいんです』というのは一番ダメな答えで、それではものすごく怒られる。
それがいかに娯楽にとって愚かなことかということを徹底していたんですね。
そして長い間トップに君臨していた山内会長。この言葉も胸にしまっておきます。
この人が今の社長である岩田さんをHAL研究所から招へいした人選力はものすごいものがありますな。
なんていうか、尖った人たちの集団なんですよ。任天堂ってのは。それは学歴で選ばれた集団ではなく、ゲーム
が好きで集まってきた人たち。
なんとなくこの会社で働いている人を羨ましく思いました。