佐々木俊尚著「仕事するのにオフィスはいらない」を読みました。
「これからは個人の時代」を体現している著者の、ノマド(遊牧民)的ワークスタイルを紹介した本です。
「働く」というイメージの中には、特に会社員は「会社に通勤する」「自分のデスクで作業をする」など、
一か所に集まって会社組織の中で集団で活動するイメージがあります。
しかし、これからはノマド的なワークスタイルが身近になり、会社勤めのような働き方でなくても十分に
仕事をしていけると言います。
実はこの不況によって、ホワイトカラーの働き方が大きく変わる可能性を秘めているのです。
なぜなら、1990年代に始まった終身雇用の崩壊、そして日本の就業についての構造変化が、ついに総仕上げの時期に来ているということになる可能性があるからです。
それはどんな社会の幕開けなのでしょうか?
端的にいえば、こういうことです。
正規雇用が消滅していき、すべての人々が契約社員やフリーランスとなる社会へ。
会社に頼っていれば何とかなった時代から、自分自身で人生を切り拓かなければならない時代へ。
今やクラウドやウェブメディアの普及によって、フリーランスであることは以前よりもずっと簡単になりました。フリーランスで仕事をしている人が格段に増え、フリーランスの名刺を持っていても、敬遠されるようなことは無くなりました。みんなが大企業の肩書に頼るような時代は、ついに終焉を迎えようとしているのです。ウェブメディアは、そうした個人のフラット化を加速させているのです。
おそらくこれから先の時代には、会社などという古くさいシステムは姿を消して、もっと違う形で人と人とがつながり、コラボレーションして仕事をするような社会が現れてきているでしょう。
物理空間によって人々が隔てられていた孤独な時代はこれで終わりを告げ、そうしてインターネットを介して人々が強くつながり、しかもそこには圧政も隷従もなく、個人が自由な裁量によってフリーランスとして働く---そんなノマド時代が、これから幕を開けるのです。
ケータイ用の通信速度も近年どんどん速くなってきており、E-Mobileでは21Mbpsもの高速通信を実現できるような時代になってきています。
ノートパソコンを持ち歩いて、クラウドサービスを駆使すれば、そこらへんのカフェで仕事が出来る環境が整います。
そうなると、会社の建物や高価なサーバーを買う必要がなくなり、ほとんどカバン1つでどこでも仕事が出来ることになります。
逆に会社は今まで投資した固形資産の負の遺産の償却や、維持費などの経費を捻出するためにどうしても大きな仕事しか取りに
いけなくなりますので、 小回りはフリーランスの方が断然よくなってきます。
そして新しいことを始めるには、ほとんど小遣いレベルの出費で仕事環境が整いますので、フリーランスの方が有利であると言えます。
著者はノマドを以下のように定義します。
第1に、ノマドは本質的なフリーランサーです。会社と社員の契約を結んでいるかどうかという形式的な問題ではなく、その精神において、自宅にいようがカフェにいようが、あるいは公園のベンチであっても、どこでも仕事ができるからこそノマドなのです。
第2に、ノマドは、パーマネントコネクティビティで働いています。オフィスという場所に押し込められているから仕方なくつながっているのではなく、自分から望んで仲間や友人、家族、同僚たち、そして仕事ともしっかりとつながっているのです。
第3に、ノマドはアテンションをコントロールする人たちです。セルフコントロールができてこそ、ひとりの場所でも仕事を完璧に仕上げることが出来るようになります。
第4に、ノマドは鍛え上げられた情報強者です。顧客や同僚とのメールやメッセンジャーのやりとり、そして業務分野における膨大な専門情報まで、こうした情報を自由自在にコントロールする力を持ってこそ、自由なワークスタイルを実現させることが出来ます。
iPhoneを持つようになってから、このツールの機動力の高さに感服しているのですが、Google社員はすでにiPhoneだけで出張を済ませているようですね。
クラウドを利用すれば、書類やノート類などを持ち歩く必要が無くなり、ノートパソコンとケータイだけで身軽に移動できるようになるわけです。
さらに言えば、ノートパソコンだって不要になるかもしれません。前に紹介した、「エコノミスト」誌のノマド特集では、ノートパソコンさえ持ち歩かないグーグルの技術者たちのケースが紹介されていました。
彼らは出張の際、なんとケータイのiフォンだけを持って出かけるそうです。グーグルのGメールやニュースリーダー、スケジュール管理のカレンダーなどはすべてiフォン向けに使いやすく改造されたバージョンが提供されていて、パソコンから操作するのとかなり近い感覚で快適に使用できます。スケジュールの確認やメールの送受信、添付ファイルの内容の確認、ブログやニュースサイトの閲覧などは、iフォン1台あれば十分に実用的に行えるのです。
ネタバレになっちゃいますが、著者が日ごろ使っているツールが載っていたので一部紹介しておきます。
僕はGMailはサブ的にしか使ってないなぁ… もうメインのメーラにするかなぁ。
- Mind42.com マインドマップ
- Googleリーダー
- Googleドキュメント
- フォトショップ Web版
- Google Gears
- GMail
- firefox
- グーグル+SBM
- delicious
- Read It Later
- evernote
- livedrive
- メディアマーカー(蔵書管理)
- Remenber The Milk (iPhoneアプリ、Todo管理)
- Byline (iPhoneアプリ、RSSリーダ)