KVM仮想環境構築その1、その2に続き、今回はKVMの使用感について書きます。
過去のエントリ:
KVM仮想環境の構築 その1
KVM仮想環境の構築 その2
他のパソコンからゲストOSへリモートログインする
ホストOSとゲストOSの間の通信はもともとVNC通信で行われています。
VNCによる通信は一般的にリモートログインで使われているので、KVMでは特になにも機能を追加しなくてもゲストOSにリモートログインすることができます。
デフォルトでは、同一マシン上にあるホストOSとゲストOSの間の通信しか許可しない設定になっていますが、この設定を変えてやると外部端末からゲストOSにアクセスできるようになります。
[参考]No route to … » Blog Archive » KVMで外部からのVNCアクセスを設定
/etc/libvirt/qemu.conf
vnc_listen =”0.0.0.0″
vnc_password = “password”
そしてlibvirt再起動。
/etc/init.d/libvirt-bin restart
こんな感じでMacBookからゲストOSにアクセスできます。
MacのVNCクライアントはChicken of the VNCを使いました。定番のVNCクライアントらしいです。使い勝手も良いです。
まず、Mac OS X ネイティブ環境はこんなの
VNCでゲストOSのWindows7にリモートログインしたところ
VNCでゲストOSのDebianにリモートログインしたところ
801.11nの無線LAN環境下でもかなり快適に動作しました。
このMacBookで、どんなOSも自由に操作できるようになった利便性は大きいです。
動作状況まとめ
ホストOS環境:
debian(squeeze)
qemu-kvm 0.12.5
ゲストOS=Windows XP (64bit)
・USB認識OK。USBメモリ、マウスなどは認識した。
・音は出る。
・VirtIO導入可能。
ゲストOS=Windows 7 (32bit)
・USB認識OK。USBメモリ、マウスなどは認識した。
・音は出る。(ac97)
・VirtIO導入可能。
・シャットダウン時にブルースクリーンになり再起動されてしまう問題がでた。
[コントロールパネル]→[システム]→[システムの詳細設定]→[詳細設定]→起動と回復の[設定]
のシステムエラー時「自動的に再起動する」のチェックをOFFにするととりあえず再起動はしなくなった。
libvertのエラーログには何も問題は出ておらず、Windows側だけの問題と思われるが原因不明。
ゲストOS=Windows 7 (64bit)
・USB認識せず。
・音が出ない。
・VirtIO導入可能。(7用のドライバが無いが、Vista用のドライバで認識した)
ゲストOSのWindowsの使用感
・VirtIOを使うとディスクIOやネットワークは思ったより速い!。
特にイライラせずファイルコピーとかネットワークは使えてます。
物理PCを使うのと感覚的にはあまり差はないかも。
ネットワーク経由のファイルコピーもそんなにひっかかる感じではないです。
・マウスの追随はけっこういいと思います。マウス操作はあまりストレスありません。
・動画再生はコマ落ちしてカクカクするのであまりおすすめできません。
ビデオ編集をWindowsでやろうと思ってたんですがこれは諦めざるをえません。
MacBookがあるからそっちでやるかなーと思ってます。年に数回しかやらないし。
・再起動が速い。物理デバイスがないのでBIOSのチェック時間が短縮できるのが効いているんだと思います。
あとは、仮想OSの一般的なメリットですが、こんな恩恵が受けられます。
・OSの起動/停止がリモートで行える。
・メモリやCPUのリソース配分を後から変更可能
・テスト環境用にお手軽にOSをインストールできる。
Windows 7(64bit)をインストールした直後、再起動したときの動画です。
こんなに速いとは思ってなかったのでちょっと驚きでした。