作者:上村崇 フリーランスのIT系エンジニア
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自分にベストなCMSはどれ?


オープンソースカンファレンス2009 京都で
7/11に行われたセミナー
「CMS集まれ!自分にベストなCMSはどれ?」
に出席しましたのでレポートします。
それぞれのCMSのキーパーソンが登壇してCMSの紹介をしてました。
スライド写真はすいません全部撮れていません。
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各CMSの紹介
concrete5
・もともと商用ソフトウェアだったが、去年6月(2008/6)にオープンソース化された。
・管理画面がない。管理は見たページをそのまま編集できるので、管理画面を別に用意する必要がない。
・Usagi Projectと提携。

drupal
・何かに特化した専用のCMSというものではなく、何にでも使える汎用CMS
・4000以上ものモジュールが存在するので、やりたいことはなんでもできる。
・ECを組み合わせたり、グループウェアを組み合わせたりももちろんできる。
・1人1人のユーザーに対して、アクセス権限が設定できる。
・コミュニケーションサイトには最適。

eZ Publish
・本家ノルウェー
・PHP言語開発にかかわっている開発者が参加している。
・エンタープライズ向け。特に官公庁の例が多い。
・官公庁向けが多いのは、セキュリティを考慮して「見せられないもの」を見せない仕組みが徹底されているから。
たとえば画像の閲覧権限なども設定できる。
・タグに対してテンプレートをあてられるテンプレートエンジンがある。
・管理画面もテンプレートで作られているので、テンプレートをカスタマイズすることにより管理画面の見た目も変更できる。
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Geeklog
・本家ドイツ
・スキルレベルが低くてもサイトが作れる。
・そのことは、開発者側からすると、手離れがいいというメリットがある。
・自由にデザインはできないぽい。むしろ型にはまった開発向き。
・コード体系がすっきりしており、開発者には分かりやすい。
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ek-MyWEB
・本家金沢
・ほとんど一人で開発している。
・1.1MBくらいのサイズで軽量コンパクト。
・wordpressからのデータ移行ができる。
・DBはMySQL、PostgreSQLなど4種類に対応。

SOY CMS
・本家が京都
・テンプレートがSmartyのように複雑ではなく(if文やwhile文を使わない)、プログラムチックではないため、
HTMLそのままを編集するような感覚でそうさできる。デザイナーには扱いやすい。
→ dreamweaverで編集が可能。
・プログラミングのことはあまり考えなくても実装できる。
・処理動作とデザインを明確に分離できるCMSを目指したため、デザイナーが別にいて共同作業をする環境では
最適。
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Joomla
・デザイナーの人がよく使っている。
・プログラムをあまり組まなくてもよい。
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■TYPOlight
http://www.typolight.org/
http://www.tyli.jp/
・まだ知名度がない。これで作られたサイトは日本ではまだ4つか5つくらい。
・Apache+MySQL+PHPで実装。ドイツの職人が作った。
・日本のユーザー会はまだない。
・2006.3にリリース
・有料版もある。ライブアップデート(自動的にアップデートできる?)が付き1000円とか。
・管理画面とフロント画面が分かれている。
・動作が軽快。

< 追記>
関係者様より補足がありました。
ライブアップデートはバージョンの更新をワンクリックでできるサービスです。マイナーバージョンが上がるような場合は、他に変更点に応じたコンテンツの修正が必要な場合もあります。
「有料版」は商用ライセンスが存在していることだと思いますが、これは生成されるXHTMLのソースコードに含まれるLGPLのライセンス表示を削除ができるようになります。機能的に別の有料バージョンが存在するわけではありません。

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wordpress
・もともとはブログツールだが、プラグインを使ってCMSチックにできる。
・テーマが非常に多い。3000種類くらいある。
・BuddyPressというプラグインでSNSチックにできる。
・wordpress.comではレンタルブログサービスを行っている。
・日本ではブログサービス利用者はあまり多くなくて、インストール型のものが多い。
・Ajaxを活用している。
・携帯対応している。
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XOOPS
・古参のCMS
・2.2系の開発が進んでいる。
・XOOPSはあくまで骨組みだけ。それにモジュールをインストールすることで、機能を増やす。
・自分のニーズに合わせてモジュールを入れることができる。
・歴史が古いので、ドキュメントが多い。運用事例が多い。
・ホダ塾ディストリビューションを入れると必要そうなモジュールも同梱されるのでお手軽。
・preloadとかderegateとかいう仕組みで、プログラム本体に手を加えなくてもユーザーカスタマイズの動作をさせることができる。
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セミナーのテーマは良かったのですが、進行とか時間配分が練られてなくて少し残念でした。
時間に遅れてくるパネリストもいたし、自己紹介を最初にやらず途中でやるとか段取りに問題アリです。
各パネリストの発言時間が決められていましたが、あまり遵守されておらず、たくさん喋る人もいれば、簡潔に済ます人もいてちょっと不公平感ありました。
そのへんは見てるこっちも白けましたので、もうすこしカチッとしたプログラムを組まれた方が良かったかと思います。
あと、せっかくスクリーンがあるのにあまり活用されていませんでした。見ての通り紹介文が無機質でしょぼかったり。
CMSのデモでもやればぐっと魅力的でおもしろいセミナーになったのになぁと思いました。

セミナーの発言者については、
全般的にみて、どのCMSもまだ開発者側の都合や便利さを重視して作られたサービスが多く、利用者側のユーザビリティを第一に考慮した
仕組みになってないのかなという印象を受けました。
まぁでもそれはオープンソースの宿命っぽいところがあるのかも知れません。
商用サービスはお客さん第一であるがゆえに、客が扱いにくいサービスは淘汰されますけど、
オープンソースは開発者の自己満足で成り立っている部分も多いから、「自分が満足したらそれで幸せ」っていう風になるきらいはどうしてもあります。
だからといってそれを非難する権利は利用者にはないわけですが。

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2 Replies to “自分にベストなCMSはどれ?”

  1. 中身のことは、説明者のプレゼンテーションレベルがまちまちであまりよく分かりませんでしたが、どんな種類のCMSがあるかということについては勉強になりました。思ったより種類多いです。

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