作者:上村崇 フリーランスのIT系エンジニア
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香港旅行における買い物付きツアーのビジネスモデル その1


先日の香港3泊4日ツアーはH社のツアーを利用しました。
これは飛行機とホテルがセットになっており、2日目に無料ツアーがついています。
 
渡航先によっても事情が違うと思いますので、いまから書くことは香港に限った話かも知れませんが、
無料ツアー付きパックの特長を書いておきたいと思います。
 
 
午前中の無料ツアー内容
滞在先ホテルまでバスが迎に来てくれて、朝食と昼食がついています。
日本語ガイドがついており、ツアー自体はとても満足がいくものでした。
コースは日本を出る前から予め決まっていたのですが、同行した香港人の現地ガイドさんは柔軟な対応をしてくれる方で、
旅行客の行きたいところを優先にコース変更とか、滞在時間の変更などの対応をしてくれました。
先日の日記にも書きましたが、今回の滞在で行きたかった香港の赤柱(スタンレー)は無料ツアーには含まれていなかったので
個人で行くつもりにしていましたが、フタを開けてみると無料ツアーに含まれていたので自分たちで行く必要が無くなりとても助かりました。
 
買い物ツアーの悪夢
これは大きな誤算でした。ショップを4件もハシゴされて、かなり疲弊したことは先日の日記で書きましたが、
これほどの時間を拘束されるのならば、無料ツアーなしのプランを探した方が良かったかなと思いました。
商魂たくましい中国人だから、これほどひどい行程になったのかも知れません。
ただし、あまり無料ツアー付きパックを使ったことが無いので僕は他国のことはよく分かりません。
 
1件目のジュエリーショップでは、郊外の工業地帯に連行され、地下駐車場みたいな暗いところで降りて
裏口ぽい小さい扉から出入りしました。
普通にバス乗っていると、どこに連れていかれたのかまったく分かりません。
しかし建物内は立派なジュエリーショップになっており、接客しているスタッフは全員日本語を話せます。
僕らがショッピングをしている時間内にもJTBや他の日本人ツアーの一行がつぎつぎとやってきて、
かなりの賑わいを見せていました。
 
この建物の中にジュエリーショップがあります。
20100807IMG_6752.jpg
 
建物の中の誘導路まで乗り入れて、バスを降りるとすぐに入り口があるので、建物の外に出るチャンスはありません。
20100807IMG_6753.jpg
 
 
2件目の絹織物の店でも、先程みた日本人ツアー一行がいたので、どの旅行会社でも買い物コースは
だいたい決まっているんでしょうね。
 
この2件目の絹織物の店は、買う気がなければ隅っこでぼけっとしていればそれで済まされましたが、
3件目の漢方薬の店はけっこうあからさまでした。
小さい教室に連れていかれ、ツアー客11人が着席したまわりをスタッフ(7人)が取り囲み、
講義形式で漢方薬のありがたいお話を30分くらい聞きました。
それが終わったあとは販売ワゴンがやってきての購買タイムとなり、逃げられない僕らにまわりの
スタッフが執拗に話しかけてきます。
なんとか興味を引き出そうといろいろ話かけられましたがじっと耐えました。
漢方薬の薬瓶は、だいたい一瓶1万円くらいするものが多かったです。
 
4件目のDNSギャラリアは大型の免税店というのもあって、個人に対する粘着行為はありませんでした。
入店後解散にしてくれたので、興味ない人はすぐに脱出することができました。
1件目の店~4件目の店まで、だいたい3時間くらいかかりました。興味の無い人にとっては苦痛な時間となります。
 
これらの4つの店にだいたい共通する傾向は、
・ほとんどのスタッフが日本語可能
・入り口が小さい。バスから直接乗りつけるような感じなので特に外から目立たなくても良いということか。
  (目立たない方がいいのかも?)
・入り口からは出られず、出口はまた別のところにある。
・日本円での買い物もちろんOK
・写真撮影禁止
・購買対象は中年女性を照準にしてるっぽい。
 
このことでどういう効果を狙っているかというと、
・外との接触を遮断することで、正常な金銭感覚を失わせる。
・断れない日本人の性格をうまく利用している。
・日本円も使えるので、「現地通貨持ってない」という言い訳ができない。
・写真撮影されると割高な値段設定がバレる可能性があるので許可しない。
 
午前中の無料ツアーで、朝食昼食つき、ガイド料などを考えると1人6000円~8000円くらいのコストが
かかってると思います。
採算性を考えると、4万円程度は買い物でお金を落としてもらう必要があると思いますので、それくらいの
おみやげは日本人観光客は買っているんでしょう。
 
しかし、日本人観光客は近年減少傾向にあると思いますので、このビジネスモデルはだんだん苦しく
なってきていると思います。
逆に増加している中国人旅行客にとっては、香港で買うより地元で買った方が安いので、中国本土で買える
ものはわざわざ旅行中に買わないでしょう。
これらのことを考えると、この無料ツアーはおそらく日本人観光客限定であり、日本人観光客相手でないと
成立しない仕組みなので、他の国からの旅行客に対してこういう仕組みのツアーは組まれていないのでは
ないかと思います。
将来性があるかどうかはともかく、日本人観光客の特質を捉えたうまいビジネスモデルだなと思いました。
 
無料ツアーについては他にまだ書きたいことがあるので次回に続きます。

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